外食店舗の立ち上げや、私たちが運営しているソトメグロ弁当のお弁当作りにおいて、最も大事にしていることの一つは「お米」です。
お料理のおいしさは、お米に左右されるといっても過言ではありません。お米の選び方、炊き方、保存の仕方、この一つ一つが、おいしさの決め手となります。今回は、その中でも特に重要な「お米選び」についてご紹介します。
日本の多彩なお米の品種
お米が何種類あるかご存知ですか?
農林水産省の取りまとめによれば、令和6年産の全国での銘柄数は934種類にのぼります。
食卓に並ぶ品種は約300種類とされていますが、ブレンド米や生産地・生産者指定のお米を含めると、世の中で購入できるお米の種類は1000種類以上にもなります。
お米の品種ごとに、食感や味わいは実に様々です。もちもちとした柔らかめの品種、しっかりとした硬めの品種、甘味が広がるもの、あっさりとした味わいのものなど、特徴は多岐にわたります。
だからこそ、私たちはお料理や提供形態に合わせて、最適なお米を選ぶことを大切にしています。
ソトメグロ弁当の「お米」へのこだわり
ソトメグロ弁当では、現在「新之助」というお米を使用しています。
しっかりとした食感と、ふっくらと炊き上がる特徴があり、私たちが現在販売している和弁当に最適だと考えています。
私たちのお弁当において、お米選びで大事にしていることは以下3点です。
- 冷めても美味しく食べていただけること
- 時間が経過してもしっかりした食感があること
- 口の中で甘さが広がること
過去には、和弁当以外にもさまざまなお弁当を販売しており、その際には「星空舞」「つや姫」「にこまる」「たかたのゆめ」「ななつぼし」などを使用してきました。お弁当の種類や味わいに合わせて、最適なお米を選んでいます。
パエリア弁当での取り組み
2021年にパエリア弁当を販売することがありました。この時だけは和弁当のお米とは別の品種のお米を炊いて準備しました。
通常、パエリアにはスペイン産のバレンシア米が一般的ですが、私たちが提供するお弁当では、バレンシア米で美味しさを表現することが難しかったため、「そらゆき」を選びました。
外食店がデリバリーサービスを始める際の留意点
お弁当を前提とした品種選びと、店舗で炊き立てを提供する場合の品種選びは異なることがほとんどです。
外食店がフードデリバリーを行う際に、お店の味をお弁当で再現することは、特にお米の品種選定が要因となり、非常に難しいと感じています。店舗で提供しているお米では受け取って食べる時のコンディションが異なってしまうのです。
作ってから配達し、お客様がデリバリーのお弁当を食べるときと、店頭で温かいまま食べるときでは、お米の状態が異なります。そのため、お店と同じような美味しさを味わってもらうための銘柄選びは非常に難しいのです。私たちは、外食店様向けのレシピ開発を行う際に、何度もテストを重ねて検証しています。
お米選びは「信頼できるお米屋さん」作りから
この記事を読まれている外食店舗様の中には、お米を漠然と購入している方も多いのではないでしょうか。
お米にはその品種それぞれに特徴があり、高いから良いわけではなく、提供するメニューや提供形態によって「良いお米」の条件が変わります。
さらに、気候の変化によって銘柄の状態も毎年変わるため、産地に太いパイプがある場合を除き、お米選びは一筋縄ではいきません。もちろん、お値段も考慮する必要があります。
私たちも、外食店の立ち上げの際やお弁当の品種選びにおいて、信頼できるお米屋さんに相談しています。
ソトメグロ弁当で使用するお米は、原宿にある「小池精米店」の小池さんに毎週どんなお弁当にするのかを相談し、その時々で一番良いお米を選んでいただいています。過去さまざまな業態開発の際にも小池さんには最適なお米をご提供いただき、難しい挑戦を一緒に進めてきました。
外食の現場に精通し、お米の品種や状態にも造詣が深い、相談できるお米屋さんを作ることが、おいしさをより向上させる秘訣になるかもしれません。
お米の選び方を見直してみませんか?
お米は単なる主食ではなく、料理全体の味わいを引き立てる重要な要素です。だからこそ、私たちはお米に対するこだわりを持ち続け、お客様に最高のお弁当を提供しています。あなたのお店のお米選びを今一度見直し、お料理の美味しさをさらに高めてみませんか?
今後も、お米へのこだわりを大切にし、日々の食事がさらに豊かになるよう努めてまいります。